2022年6月17日に電気通信事業法の改正が発表され、2023年6月16日に施行となりました。現在、規制の内容や対応について確認・検討している企業も多いかと思います。近年、電気通信事業をとりまく環境は目まぐるしく変化しており、テクノロジーの進歩だけでなく、Webサービス上におけるCookieをはじめとした個人情報の取り扱いや保護は、海外においても大きな関心ごととなっています。こちらのページでは、電気通信事業法が改正されることになった背景や企業が確認すべきポイントについてまとめています。改正電気通信事業法の概要が知りたい方、自社が対象となるか迷っている方はぜひご確認ください。
なぜ電気通信事業法の改正が行われるのか?
電気通信事業法とは、その名の通り「電気通信事業」に関するルールを設定した日本の法律です。「事業者に対する公正な競争」と「利用者(消費者)の利益」を保護しながら、電気通信の発展と普及を促進することを目的に定められました。日本の電気通信事業は明治時代の電報や電話から始まりましたが、当初は国営や公営企業が中心だった電気通信事業に民間の事業者が参入し始めたことをきっかけに、1984年に最初の法律が制定されました。
電気通信事業法はこれまで通信技術の進歩(有線電話から無線電話、インターネット接続、5Gなど)や、市場環境の変化(1980年代のNTT民営化など)、社会ニーズの変化(プライバシー保護)など、時代の潮流に合わせた改正を繰り返しています。改定により、事業者にとっては安全で公正な運営の確保、消費者にとっては権利や利益の保護の実現につながっているといえるでしょう。
「電気通信事業法」今回の改正までの流れ
電気通信事業法は1984年に制定されてから、環境や技術発展によるサービスの変化に合わせて改定を繰り返してきました。
現在もなお、IoTの進化(あらゆるモノをインターネットと接続する技術)、AI(人工知能)やビッグデータの活用、5Gの普及、デジタルマーケティングの領域拡大などの新たなテクノロジーの発展が電気通信事業に大きな影響を与え続けています。特にCookie(クッキー)の活用については、利用者のプライバシー保護に関する課題が発生しており、日本だけでなく世界中で保護や規制に対する意識が急速に高まっている領域です。2023年6月に改正される電気通信事業法においても、Cookieの取り扱いに関する法律(外部通信規律)が新たに定められました。
2023年6月に施行される電気通信事業法の改正内容とは?
今回改正される電気通信事業法の目的は以下の通りです。この3点を目的として掲げ、それぞれに対して改正する内容が定められました。
①情報通信インフラの提供確保
- ブロードバンドサービスについては、契約数が年々伸び、 「整備」に加え、「維持」の重要性も高まっている。
- 新型コロナウイルス感染症対策を契機とした社会経済活動の変化により、テレワークや遠隔教育などのデジタル活用の場面が増加している。
②安心・安全で信頼できる通信サービス・ネットワークの確保
- 情報通信技術を活用したサービスの多様化やグローバル化に伴い、情報の漏えい・不適正な取扱い等のリスクが高まる中、事業者が保有するデータの適正な取扱いが一層必要不可欠となっている。
③電気通信市場を巡る動向に応じた公正な競争環境の整備
- 指定設備(携帯大手3社・NTT東・西の設備)を用いた卸役務が他事業者に広く提供される一方、卸料金に長年高止まりとの指摘がなされている。
- NTT東・西が提供する固定電話について、従来の電話交換機網からIP網への移行を令和3年1月に開始、令和7年1月までの完了を予定している。
Webサイト運営の領域においては、「② 安心・安全で信頼できる通信サービス・ネットワークの確保」の項目内で新たに制定された「外部送信規律」が、新たに対応が必要となっている規制内容です。「外部送信規律」は改正電気通信事業法第27条の12に記載されており、事実上の「Cookie規制」にあたります。Cookie規制といえば2022年4月に改正個人情報保護法が施行されたばかりですが、今回の電気通信事業法の改正についても、Webサイトの担当者は内容を把握し、自社が運営しているサイトにおいて対応が必要かどうかを確認したほうがよいでしょう。
「外部送信規律」の対象となる事業者やサービスは?
対象となるサービスについて、総務省からは下記の区分が示されています。対象となるのはあくまでも事業単位ではなくWebサイトやアプリのサービスであるため、サービス単位で確認する必要があります。
下記は対象とならないとされています。「Webサイトの運営」においてはサイトの用途によって対象となるかどうかが変わりますので、注意が必要です。
「外部送信規律」の対象となる行為は?
外部送信規律とは、「事業者が利用者に関する情報を第三者に送信させようとする場合、利用者に確認の機会を付与すること」が義務化されるルールです。具体的には、利用者のパソコンやスマホなどの端末で起動されるブラウザやアプリを通じて記録された情報(Cookie情報など)を外部に送信させる場合、対象の事業者は、Webサイトにおいて事前に必要な事項を通知し、送信先の情報を公表することが必要となります。
代表として、下記のようなタグやSDKがサイトに組み込まれている場合、閲覧者の端末に保存されている情報を外部送信する行為になるため規制対象となりますので、対象となる事業者やサービスと合わせて確認しましょう。
- Google Analytics(Googleアナリティクス)、ABテストなどWebサイト解析ツール
- ソーシャルプラグイン(Facebookのいいねやシェアボタンなど)
- MA(マーケティングオートメーション)
- AdSense(アドセンス)などの広告配信ツール
- ターゲティング広告
「外部送信規律」で対応しなければいけないこと
対象となるサービスを提供している事業者は、Webサイトやアプリ上で下記いずれかの対応を行うことが義務付けられます。
上記をWebサイト上で行う手段のとしてCMPツール(同意管理プラットフォーム)を導入することが有効とされています。CMPツールとは、Webサイトに来訪したユーザーに対してCookieの利用目的や提供先を通知公表し、スムーズに同意を取得することができるツールです。導入すると、ユーザーがWebサイトに来訪した際、Cookie同意に関するポップアップが表示されます。2022年4月に改正個人情報保護法が施行された際に、多くの企業がCMPツールを導入しCookieの取得や管理体制を整えました。改正個人情報保護法や今回の改正電気通信事業法はどちらも企業のプライバシーガバナンスに踏み込むものであるため、組織全体で体制を構築する必要があるためです。
近年Cookieの取得に関しては今回の改正電気通信事業法など、改正が相次いでいますが、法改正のたびに専門知識を情報収集し、Webサイトやシステムの改修を手作業で実施することは困難です。国の法規制や改正に対応するため、CMPツールの導入は早めに行うことをおすすめしています。
「CMPツール(Cookie同意管理バナー)」を実装するとできること
WebサイトにCMPツールを導入することで、下記のような管理が行えるようになります。提供しているサービスはツールによって様々なので、自社のサービスや目的に合ったツールを導入することが必要です。
「CMPツール(Cookie同意管理バナー)」の導入サポートについて
当社では、CMPツール(Cookie同意管理バナー)導入のご支援を行っております。今回の改正電気通信事業法や、すでに施行済みの改正個人情報保護法など、法改正が相次いでいますが、自社が対象か対応わからなくてもご安心ください。お客様のWebサイトの現状調査・導入コンサルティングからWebサイトへの実装までワンストップで支援いたします。導入事例のご紹介も可能ですので、お気軽にご相談ください。