企業の様々な節目を祝う目的で行われる周年事業。コーポレートアイデンティティやMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)の浸透を目指したインナーブランディング施策から、オンライン上でユーザーを大きく巻き込んだキャンペーン、オフラインイベントを通じたステークホルダーとの交流まで、周年事業で行われる手法は多様化しています。

手法が多様化したことは、企業にとって大きなチャンスとなる一方で、どういった基準で企画を行うかという判断の難しさも生んでいます。こちらの記事では、周年事業を成功に導くためのポイントと、阪急阪神マーケティングソリューションズがサポートした事例を「オフラインイベント開催」「ユーザー参加型キャンペーン」「ブランディング施策」という切り口でご紹介します。周年という節目に向けて情報収集を行っている方は、ぜひ企画のヒントとしてご活用ください。

企業の周年事業とは?

周年事業とは、企業や団体が「創業や設立からの節目の年」などを記念して実施するプロジェクトの総称です。創業10周年、50周年、100周年といった区切りのタイミングで開催されるほか、店舗のオープン記念日や商品の発売記念日など、企業ごとに多様な節目が対象となります。

企業の歴史を祝う周年事業は、創業者の功績や社員の貢献、関係者への感謝を伝え、節目の年にこれまでの歩みを振り返る場として行われてきました。現代ではその位置付けが大きく変化し、企業内部の関係者だけでなく、外部の顧客やパートナー、地域社会との関係性強化や企業の社会的価値向上を目的とした広報活動であると捉える企業も増えました。当社にも、社内式典にとどまらない周年施策のご相談が寄せられるようになりました。周年事業は社内向けの式典という枠を超え、戦略的なコミュニケーション施策へと発展しているといえるでしょう。

そのため、周年事業を行う際は、社内向け(インナーブランディング)とするのか、社外も対象とするのか、もしくは両方なのかという対象の明確化はもちろん、なにをもって成功とするかのゴール設定、予算策定など、綿密な事業計画が必要となります。

企業の周年事業を成功に導くためのポイント

周年事業は、数年、数十年に一度のイレギュラーな催しとなるため、社内に知見が蓄積されていないケースがあります。企画を行うにあたって、通常の広報活動やプロモーション施策とは異なる視点が必要となるでしょう。こちらでは、周年事業を成功に導くために事前に抑えておくべきポイントをご紹介します。

人的リソースの確保

多くの場合は通常業務との兼務となり、従業員は業務と両立しながら特別なプロジェクトをこなすことになります。企画や準備だけでも多くの時間と労力を要するため、プロジェクト体制を明確にすることはもちろん、スケジュールや工数管理をしっかりと行い、都度調整することが必要となるでしょう。

あわせて重要となるのが、プロジェクトに参画する担当者の追加工数に見合う評価の仕組みです。周年事業への貢献が評価に反映されないことで起こりがちなのが、担当者がプロジェクトを「通常業務に上乗せされた負担」と捉えてしまうことです。プロジェクトへの参画を正式な担当業務として位置づけることで、主体的な関与を引き出すことができます。また、周年事業は複数部門をまたぐことが多く、現場だけで調整するには限界があります。意見の対立や部門間の合意形成が難航しないよう、意思決定プロセスを明確にしておくことも重要です。

多様なステークホルダーへの対応

企業には、従業員、株主、取引先、顧客だけでなく地域社会まで、多様なステークホルダーが関与するケースもあります。関心事や課題、期待度、関係性などが異なる中で、すべてを同時に満足させようとすると企画が総花的になり、かえって誰の印象にも残らないという事態を招きかねません。目的を明確にした上で主となる対象を定め、優先順位を明確にすることが重要です。大規模なイベントの場合、予期せぬ事態に備えたリスク管理も必要となるでしょう。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)や企業文化との整合性

周年事業は企業の価値観や文化を体現する機会です。イベントのコンセプトや内容が企業理念、経営理念、行動指針と整合性が取れているか、企業文化を反映しているかを確認しましょう。この確認は企画が固まった後ではなく、コンセプト立案の段階で行うことが重要です。

確認した結果、MVVが形骸化しているというケースもあるでしょう。その場合は、整合性を取る対象としてではなく、周年事業を通じてMVVを社内に再浸透させる機会と捉える発想も有効です。世代交代や環境の変化によってMVVが実態と合わなくなっている場合には、周年という節目に合わせて理念そのものを見直し、社内外へ発信する機会と捉える選択肢もあるでしょう。

トレンドや社会課題への適応

デジタル化の進展に伴い、WebやSNSなどのオンラインのみで完結するイベントや、オフラインとオンラインを掛け合わせたハイブリッド型イベントを実施するケースも増えています。他社と差別化した企画立案はもちろん、最新のトレンドを抑えることが必要となるでしょう。ただし、「トレンドを取り入れること」自体を目的にしてしまわないように注意しましょう。新しい手法はあくまで、自社が伝えたいことをより効果的に届けるための手段として選ぶという姿勢が求められます。

特に昨今では環境問題への関心度が高まっているため、イベントにおける環境負荷低減への取り組みも重要な課題となるでしょう。日頃の事業活動における取り組みと結びつけて発信し、周年事業の場だけの表層的な印象を与えないようにすることも大切です。

目標設定と効果測定

周年事業における目標設定と効果測定はとても難しい課題です。ただし、事後にフィードバックを行うことでノウハウを社内に蓄積することができるため、定量的・定性的な観点から指標を設定しましょう。「何のために行うのか」という目的を明確にしたうえで、定量指標としては「Webサイトへの流入数」「参加数」など、定性指標としては「アンケートの自由記述」などを組み合わせるとよいでしょう。

なお、企業への理解や愛着といった変化は時間をかけて浸透します。実施直後の短期的な数値だけで判断せず、中長期的な視点で評価する仕組みを構築しておくことも有効です。その手段の一つとして、ソーシャルリスニングツールなどを活用すれば、アンケートでは得られない生の反応を把握できます。周年事業に対する反応を知るだけでなく、SNS上で自社がどのように語られているかを実施前後で分析すると、企業への印象がどのように変化したかを読み取る手がかりが得られるでしょう。ただしSNS上の声がすべての顧客を代表するわけではないため、アンケートなど他の手法と組み合わせて総合的に判断することが重要です。

【事例】顧客との関係を強化するオフラインイベント

こちらでは、阪急阪神マーケティングソリューションズにおいて、企業の様々な節目を記念して、オフラインイベントを企画・開催した事例をご紹介します。数年、数十年に一度の貴重な瞬間をリアルタイムで共有することは、企業とステークホルダーの関係性強化につながります。昨今ではWebやSNSでのオンラインイベントも一般的となりましたが、対面でのコミュニケーションが可能なリアルイベントは、より記憶に残る体験価値を提供することができるため、変わらず有効な施策です。

【事例】WebやSNSならではのユーザー参加型キャンペーン

WebサイトやSNSの普及によって、より多くのステークホルダーとオンライン上で接点を持つことが可能となりました。「ユーザーから提供されたテキストや画像でコンテンツを作成する」「投票によってキャンペーンを盛り上げる」「SNSのライブ配信を活用して直接コミュニケーションを取る」など、WebやSNSならではの企画を目にする機会も増えています。

【事例】企業の歴史と想いを未来へつなぐブランディング施策

周年の瞬間を最大限生かすことは、企業が変化していることや成長していること、新たな取り組みを行っていることを内外に示す良い機会になります。外部への認知を高めるだけでなく、内部に対しての企業理念の浸透や帰属意識の向上などの効果も期待され、結束力を高める機会としても有効とされています。こちらでは、こちらでは阪急阪神マーケティングソリューションズでブランディングプロデュースやコーポレートアイデンティティの再定義、広報ツールなどを作成した事例をご紹介しています。

参加型のイベントはリピーターを生みやすく、SNSによる拡散効果も期待できます。こちらでは、ユーザー参加型のキャンペーンを実施した事例をご紹介しています。

まとめ

企業の周年事業は、インナーブランディングとしての側面があることはもちろん、顧客やパートナー、地域社会を巻き込んだ戦略的なコミュニケーション施策へと役割を広げています。数年から数十年に一度の貴重な機会だからこそ、目的を明確にし、企業の価値観を体現する内容に仕上げることが成功の鍵となります。

本記事では、周年事業を成功に導くためのポイントとして、人的リソースの確保とプロジェクト体制の明確化、多様なステークホルダーへの対応とリスク管理、MVVや企業文化との整合性、トレンドや社会課題への適応、目標設定と効果測定という5つの視点をご紹介しました。あわせて、リアルイベントによる関係強化、WebやSNSを活用したユーザー参加型企画、コーポレートアイデンティティや広報ツールの刷新という3つの切り口から、当社が手がけた事例をご紹介していました。

阪急阪神マーケティングソリューションズでは、周年事業の企画から運営、プロモーション施策、クリエイティブ制作まで一気通貫で承っております。社内に知見が蓄積されにくい周年事業だからこそ、多くの実績を持つパートナーとともに進めることで、節目を次の成長につなげる機会にすることができます。上記以外にも多数の事例がございますので、ぜひお気軽にお問合せください。